旬刊わかる合気・できる合気術

51歳から始めた合気柔術の修行の様子、技の進歩、停滞、試行錯誤、考察を書き連ねていきます。

合気的身体を作る気功

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 師匠の鈴木先生に入門して、それ程時間がたっていなかったと思うのですが、站椿(本来の字は椿の日の部分が臼という字です)の腕で技に向かうと上手くいきやすいということに気が付きました。 

 
    站椿(たんとう)とは同じ姿勢でじっと立つという気功です。站椿功にも種類があるのですが、私はその中でも写真の3円式站椿を念頭に置いています。この形で立っているとある時期から水中にいるような感じで腕が浮いてきて楽に姿勢を維持できるようになってきます。その時、腕は内側から膨張するような感覚です。

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           鳥飼美和子さんの站椿功です。

 

    その感覚を腕を伸ばした時でも、下に向けても上に向けても保つ事ができればしめたものです。その時あなたは合気技を使う事ができるでしょう。

 
    合気技が難しいのは、相手に手首をつかまれた場合、手首に力を入れて相手を動かそうとしてしまいがちだからです。そうすると相手に動きを察知されて技をかける事ができません。そうならないように、手首には力を入れずに、腰から動き出し、肩、腕とスムーズに動きを伝えられれば技をかける事ができます。
 
    ただ、一瞬でこの繋がった動きを実現するのは並大抵のことではありません。それなのに、站椿功を行ってるときの腕で相手に向かうと繋がった動きができるのです。これはおそらく、站椿功で楽に立つ事ができるようになる事が、腰からの連動が繋がりやすい肩や腕のあり方を実現するからだろうと私は考えています。
 
    これもまた20年以上前に中健次郎師から教わった話です。師は中国で太極拳を学びはじめた時に、老師からひたすら立つ事を求められたそうです。意味もわからず立ち続け、兄弟子達は套路(型)を教わっているのに、なぜ自分だけと思いながら立ち続けました。このまま、月謝を払い続けて意味があるのだろうか?と考えながらも立ち続けました。とある時、身体が自然と動きはじめたそうです。それを喜んで老師に報告したところ、「余計な事を言ってないでただ立て!」と叱られたそうです。空手映画の「ベストキッド」さながらですね。日本でそんな形で教えたらたちまち弟子が一人も来なくなる事請けあいでしょう。
 
    もちろん、やがて套路学ぶことを許されたのですが、太極拳発勁にかんしても、この立つ事、そこから養成される身体感覚、そして、それによって実現される繋がった動きに秘訣がありそうです。
 

それでは皆様、お元気で!

May the Force be with you!

※2017年2月25日更新予定です。