旬刊わかる合気・できる合気術

51歳から始めた合気柔術の修行の様子、技の進歩、停滞、試行錯誤、考察を書き連ねていきます。

気功と合気の関係は?

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合気のための気功入門

気功の基礎知識

 

合気柔術の初心者である前に私は20年にわたる気功愛好者なのです。合気と気功の関係について語る前提として、今回から全三回に渡り気功とは何かについて説明していきたいと思います。

 

まず、気功の基礎知識についてお話します。

 

気功とは、中国古来の様々な心身調整法を1950年代にとりまとめた呼び名です。気功の種類と言いますと、色々な分け方がありますが、ここでは導引・吐納・存思・内丹と言う形で説明します。

導引(どういん)とは、現代でいうストレッチ体操のようなものです。

吐納(とのう)とは、いわゆる呼吸法のこと。

存思(そんし)とは、イメージ療法のようなものでしょうか。

内丹(ないたん)は、現代では同様のものは存在しません。気功の奥義とでもいえるようなものなので、先の方で、説明いたします。

 

 では、ストレッチ体操や呼吸法ならば、ストレッチ体操や呼吸法で事足りるのではないかという疑問が出てきますが、気功と言う意味では事足りないのです。気≒エネルギー、功≒プラクティス・エクササイズと言ったほどの意味なので、気功はエネルギーエクササイズということになります。導引が何を目的としているかと言えば、ストレッチ体操に似たことをして、体の隅々まで気≒エネルギーを導こうとしているのです。

 

 吐納は、呼吸法ですから、想像しやすいと思います。そうです、身体のなかの不要になった気を排出して、環境の新鮮な気を取り込もうという方法です。ですので、大気汚染の酷いところでやったら、吐納は逆効果ということになりますが、そんなことを言われなくても、普通に体に悪いですよね。

 

 さて、存思はどうでしょう。現代のイメージ療法というと、がん細胞がだんだん小さくなって消えていくことをイメージしてがん治療に役立てるなどの例が思い浮かびます。存思では、各臓器を守っている神々をイメージしたり、場所を守護している霊的な動物をイメージしたりして、体内の活性化を図ろうというものです。ココからは、私の説ですが、おそらく、気そのものの質を高めることを狙っていたのではないかと思います。気の質を高めるということでは、この存思は、内丹法と目的、方法において重なる部分があります。

 

 とはいえ、それぞれの気功は、実は重なるところが多いのです。導引と吐納、つまり動きに呼吸法を合わせることはよくあります。また、あるイメージを持ちながら、特定の動きをするということもおなじみのものです。上での区別は便宜的なもの、視点の違いと理解してもらったほうがいいかもしれません。

 

 さて、最後の内丹法です。これは、気功の究極の目的を達成するための方法らしいのです。道教でいえば理想の人=仙人となるのです。そう、空を飛ぶことのでき、不老長寿である、あの仙人です(!!!)残念ながら、日本ではほとんどこの研究は進んでいません。「いやいやちょっとまて、仙人などなれるわけがないじゃないか?何を言っているのか?」という突っ込みが聞こえてきそうです。いえいえ、私が言っているのは、仙人とならなくても、この内丹法とは方法的にはこういうものである。それを実践してみたら心身的にこういう変化を生じたというレベルのものさえほとんど紹介されなかったし、実践されてこなかったという事なのです。

 

 昨年私は、「内丹を本格的に研究・実践し始めた」とおっしゃる2人の気功の先輩を見出しました。ついに日本の気功もその段階になったかと感慨深いものがありました。わたしは、内丹の研究は当分しないと思いますが、先輩方の動向は興味津々で注目していきたいと思っています。

 

 次回は気功のバックボーンになっている陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)についてお話したいと思います。気功の目指すところがよりわかりやすくなると思います。

それでは皆様、お元気で!

May the Force be with you!

※2017年01月20日更新予定です。

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