旬刊わかる合気・できる合気術

51歳から始めた合気柔術の修行の様子、技の進歩、停滞、試行錯誤、考察を書き連ねていきます。

第一の師匠は心優しいスピリチャル系

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   私の合気柔術の第一の師匠は千歳烏山にお住まいの鈴木信幸氏である。カイロプラクティショナーで中医学の整体師でもある。70歳を超えていらっしゃるが、横への開脚でペターと両脚が床についてしまうような柔軟なお身体をお持ちだ。この柔軟にはエピソードがある。先生は60代に前立腺肥大になってしまった。医者によると根治させるには手術で切除するしかないという。身体は必要があってそれぞれの器官があるのだと信ずる先生は手術を拒否して自分で治すことを決心する。老化が引き起こした病なのだから老化したところを元に戻せばいいと開脚を始めることにした。道具も何もいらない。テレビを見ながら毎日何時間も開脚を練習した。そして半年後に両脚がペタと床につくようになり、前立腺肥大も治ってしまったというのだ。

 
    気功や合気への関わりは20年以上前に西野流呼吸法から始めている。由美かおる金井克子を輩出した西野皓三氏が創始した気功をアレンジした健康法である。西野氏は空手の猛者達を触れることなく気で吹っ飛ばすなどと宣伝していて随分叩かれたものだ。
 
  その後、大東流合気柔術を堀川幸道のお弟子である小川忠男師範の下で研鑽を積む。数年で習得してしまい。指導者となる。しかしグループ指導ではなかなか上達しないことから指導を全てマンツーマンとする。
 
   その、マンツーマンの稽古は1時間半で指導料は驚くなかれ、2000円である。2万円ではない2千円なのだ。というのも、通常、筋トレでも格闘技でもプライベートレッスンであれば、60分5000円から1万円は普通であり、妥当なところだ。それが2000円なのだから、なんとも良心的と言うべきか徳がおありというかとにかく破格である。「どうしてこんなにお安く設定していらっしゃるのですか?」と問うと「高くしちゃうと普通の方ではなかなか稽古する事が出来なくなりますから」というお答えだった。
 
    とにかく、鈴木師匠は教える気マンマンだ。ストレッチにたっぷり30分かけた後、合気上げから始まって、5つから7つぐらいの技を順々に稽古していく。教えのポイントは2つ。相手の力を感じなくなるほど、こちらの抵抗感をなくしてしまうこと。言いかえればこちらの緩みを相手に伝える事となる。もう一つは、腕に気を通す事である。私は現在この2つのポイントを以下のように理解している。この2つは同じ事柄の2つの側面と言っていいだろう。気の通っている腕はリラックスしているのであり、リラックスしていないと気は通らない。また、相手の力をこちらが抵抗することなく受け入れる事は受動的側面であり、腕に気を通して相手を崩すのは同じ現象の主体的側面である。
 
 「気で雲は消すことができるよ。」と私にとっては突拍子もないことを仰る先生であるが、合気柔術については極めて現実的な見解をお持ちである。「合気柔術ができることと、格闘的に強いかどうかは関係ない」とおっしゃる。柔道や空手やましてや総合格闘技の中で日々戦い方を工夫している人々に合気柔術一本で勝てるわけがない。私もそのご意見に賛成だ。格闘技において合気柔術に勝機があるとしたら、相手と同種の競技において同等の競技力を持った上での話だ。あるいは、総合格闘技の中で合気柔術ができることとは何か(何もできないかもしれない)を徹底的に研究した人のみだろう。
   
 鈴木先生は何しろ優しい。先日私がうっかり、日にちを勘違いして休んでしまい。お詫びのメールを差し上げたところ、間違いは誰でもあること、何か事故があったのではなくてよかった。稽古代は結構ですとお返事があった。私のミスによる無断欠席なのにである。本当に何という方だろうと感激してしまった。
 
 
 
 
 
 
 

これでできる。合気下げ!

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   「あなたは気が強いから、合気下げは簡単なはずだよ」という師匠の言葉に励まされて師匠に合気下げを試みる。何度やっても師匠がビクともしないのに心折れそうになる。師匠が「肩と二の腕にもの凄く力が入っている。」とアドバイスを下さる。力んではいけない、百も承知のはずだが一つ一つの技でこの事を一からやり直さなければならない。トホホ。

 
    それならばと、つかまれてない方の手のひらで自分の二の腕を優しく包み込むように触って力みを取ろうとした。そうやって包んだまま、師匠に試みると、あらっという感じで簡単に師匠が前のめりになった。「そうそう、そうだよ」という師匠の声にかぶせるように何度も試みる。本当に手ごたえがないくらいにあっさりうまくいく。「簡単ですね。」「簡単なんですよ。」と師匠がニヤリとする。
 
    喜び勇んで、兄弟子先生の道場にいって試みる。何とかかかりはするが、師匠の時のような「手ごたえがない」という手ごたえがないのだ。ゴツゴツ相手の抵抗を感じる。そして相手に真横に立ってもらうという、より難易度の高いやりかたでやってみると、またしても、膠着状態であり。せっかくできたと思ったらこのザマである。あ〜あ。
 
    見かねた兄弟子先生が、「師匠はね。こうやって肩から動くんだよ」と肩をすっと下げていく。それならばと試してみると、掛かる掛かる。面白いようにかかる。
 
    要領をまとめてみよう。相手につかまれたところを力まないのは言うまでもない。接触点が力んだり、そこから動きを開始するとたちまち相手に悟られ阻止される。接触点だけでなく、腕、二の腕、肩ともにリラックスさせるのだ。そして肩をすっと落とすことで動きを開始し、指先に多少の張りをもたせて真下へ降ろす。これで上手くいくはずだ。これが私の掴んだ合気下げである。ぜひ、お試しあれ。

合気下げ こうするとできない。

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 合気上げの方向を下にすれば合気下げという事になる。しかし、私の感覚では合気上げより、はるかに難易度は高かった。相手に自分の片手の手首を握ってもらい、下にさがらないように頑張ってもらう。これを合気を用いて手を下ろし、相手の重心をを前のめりに倒せたら、この技ができたという事だ。

 
   もちろん、腕に力を入れて下に引っ張ってもよほど腕力の違いがない限り動かない。ではと、肩の力で降ろそうとしても阻止される。合気は全身の力だとばかり腕に自分の体重をかけるようにしてもうまくいかない。全く万策尽き果ててしまった。
 
    合気下げのコツは実は全く簡単な事だった。
次回へ続く。←ずるい!
 
写真は合気練体会の有吉先生です。吉丸慶雪のお弟子さんです。
 
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合気修行5ヶ月目。今、楽しくてたまらない!

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   もう20年もまえになりますか、NHK教育テレビで「気功専科Ⅱ」という番組が放送されました。その中で気を用いる武術として紹介されたのが岡本正剛師範の「大東流合気柔術」でした。ご覧いただくと分かりますように、師範が小さく動くだけで弟子たちが吹っ飛んでいきます。まさに奇跡。人間にこんな事ができるのならぜひ習いたいものだと思いました。
 
   しかしそれから20年、気持ちだけはありながらも縁がないままに時間がたってしまいました。それでも気功は好きで続けてきたのでした。
 
    今年の5月に先生をお2人も得て修行を開始することができました。四十の手習いならぬ五十一の手習いです。人間、幾つになっても進化することができるもので、少しずつできる技がふえてきました。
 
    その中で自分が納得できたことまだ分から ないことや考えていることをこうやってFBに書いてみたら面白かろうと思っているのです。
 
合気・気功・太極拳の先生方、コメントやフィードバックいただけるとうれし泣きします。
 
合気上げメモ
 
   すべての合気技がそうだが、相手に抑えられてるところで力んではいけない。相手はそれを察知して抵抗できるからだ。逆に言えば、相手に接触しているところからはこちらの動きを察知できないような緩みを相手に感じさせる必要がある。具体的には腕・肩・胴体ともにゆるめる。緩んでいるかどうかの判断は、相手の抑えてくる力をを痛いと感じるか、全くなんでもない。むしろ心地よく感じるかどうかで可能である。後者であれば緩んでいるのだ。この時、力むことなく(これも難しいが)腕を上げていけば、相手は抵抗できずに重心を上に持っていかれる。
 
写真は故岡本正剛師範です。
 
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